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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第14章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の参》
 二人の幼い若君が乳母に連れられてこの部屋に来るときだけは美空も微笑を浮かべているれど、その微笑みが上辺だけのものであることは明白だ。たとえ表面は笑んでいても、その双眸は光を失ったように虚ろなことを、このお側去らずの侍女はちゃんと見抜いていた。
 ご簾中付きの智島は、今も気遣わしげにそんなご簾中を傍から守っていた。
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