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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第14章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の参》
 再び戻ってきた男の手は執拗に美空の太股の上を行きつ戻りつした。女の身体のどの部分が感じやすいかを知り尽くした男の手だ。
 だが、美空は一向に何も感じない。快感とか心地良さどころか、むしろ嫌悪感の方が先立ち、孝俊の手が脚の上を這い回る度に、膚が粟立つ想いだった。
 何故か、その夜は誠志郎のことばかりが思い出された。誠志郎ならば、こんなことはけしてしないだろう。美空の意に反して、その身体を夜毎、蹂躙するようなことだけは。
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