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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第14章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の参》
「何故、そのように悟りきった眼で俺を見るのだ。何ゆえ、泣かぬ。泣き叫んで、許しを乞い、生命だけは取るなと縋ってはこぬ。それとも、そなたは俺に抱かれるよりは、生命奪われた方がマシだと申すか!」
甘んじて死を受け入れようとした美空の態度は、孝俊の嫉妬と憤りをよりいっそう烈しくかきたてた。
孝俊の狂気に染まった瞳の奥で、嫉妬の焔(ほむら)が燃えている。
夜は不気味な沈黙を孕んで、静かに更けていった。