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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第14章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の参》
 〝立派なおん大将になる〟のが夢の徳千代としては、大好きな母に男らしくないと言われるのは何より悔しい。
 孝俊に似た眼許に大粒の涙が盛り上がった。
「さあ、徳千代君。孝次郞に鞠を返しておあげなさいませ」
 美空に言われ、徳千代が差し出した手鞠を孝次郞が小さな手で受け取る。
「二人しかおらぬ兄弟なのですから、喧嘩をしてはなりませぬ。仲よう致さねばなりませぬよ」
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