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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第14章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の参》
智島が控えめだけれど、きっぱりと確信に満ちた口調で言上する。その時、徳千代と孝次郞の乳母が迎えにきて、二人の若君は乳母に連れられ、それぞれ部屋に戻っていった。
そろそろ夕刻近い。
今宵もまた孝俊のお渡りはないのかもしれないと思うと、美空は落胆よりも安堵を憶える。つまりは、それだけ孝俊との仲が冷え切っているということなのだが、美空はこのまま互いの心が離れてゆくのも致し方ないと考えていた。