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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第14章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の参》
「殿はずっとご簾中さまを信じていらっしゃいましたが、去年の秋頃でございましょうか、浪速屋なる人物の存在が浮上したのでございます」
 智島は、外聞をはばかってか、低い声で続けた。
 孝俊の態度が硬化したのは、浪速屋誠志郎の存在が明らかになってからのことである。丁度その頃、ひそかに美空のゆく方を探らせていた忍びがついに美空の居所を掴んだ。
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