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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第14章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の参》
 満開の白梅が夜陰にほの白く浮かび上がっている。
 孝俊が梅を見上げながら言った。
「済まぬ」
 その短いひと言は、美空の心の奥底にまで届き、ゆっくりとひろがる。凍てついた美空の心を春の陽光のようにやわらかく溶かした。
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