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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第14章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の参》
 冬の空とは異なり、温かみのある済んだ青空がどこまでもひろがっている。
―空はあらゆるものを慈しみを込めた優しげなまなざしで見守っている。お前もあの空のようにすべてのものを包み込み、あまねくその懐に抱く存在であれ。
 美空の脳裡に、父弥助が我が名に込めた願いがふっと思い出される。
 涯なく続く蒼空は雲一つなく冴え渡っている。まさに、若きご簾中のゆくを寿ぐかのような晴れやかな空であった。  
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