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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第14章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の参》
 空高く、春の太陽が光の輪となって輝いている。額に手をかざしながら日輪を見上げている美空の眼に、誠志郎の笑顔が浮かぶ。美空はこの時、確かに亡き人の姿を日輪の中に見た。蒼空に輝く陽光の中に、束の間、誠志郎の笑顔を見たのである。
 誠志郎の優しい笑顔に、美空はそっと呼びかけた。
―ごめんなさい、そして、さようなら。
 まさに、美空が誠志郎の面影と決別し、将軍の妻として生きてゆくことを決意したときだった。
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