この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第14章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の参》
二挺の駕籠はゆっくりと進み、やがて壮麗な外観と偉容を誇る江戸城に入った。
駕籠はそのまま城内まで担ぎ込まれる。
江戸城の表御殿と奥向き―大奥の境に当たるお鈴口で高らかに鈴の音が鳴る。
将軍が表から奥に渡った際にのみ、お鈴口を守るお鈴番が鳴らす鈴である。
「上さま、御台さまのおなり~」
先触れの声が朗々と響き渡るのを合図とするかのように、大奥廊下に居並んだ奥女中たちが御年寄永瀬を筆頭に次々にひれ伏してゆく。
駕籠はそのまま城内まで担ぎ込まれる。
江戸城の表御殿と奥向き―大奥の境に当たるお鈴口で高らかに鈴の音が鳴る。
将軍が表から奥に渡った際にのみ、お鈴口を守るお鈴番が鳴らす鈴である。
「上さま、御台さまのおなり~」
先触れの声が朗々と響き渡るのを合図とするかのように、大奥廊下に居並んだ奥女中たちが御年寄永瀬を筆頭に次々にひれ伏してゆく。