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そのキスの代償は……
第10章 その約束
大きく開かれた股に、あの人の熱を発散する熱い躰が密着して私の心を…

何より落ちやすい躰を揺さぶる。

下半身を密着させながら、背中に頬擦りする。

そして…

「んんっ~」

とうなり声を漏らす。


もう何度目だろうか?

くすぐるように低い声で、耳元に囁き続けられると…

絶対に嫌という頑なだった心が…

あの人の焚き付け、燃え盛る淫靡な熱に…

侵され、解かれていく。


どんな難解なパズルも、数式も、

時間をかければいつか解かれてしまうように、

私の心の奥底の大切だった思いも、快感に溺れてしまうことを恐れる心も、

何もかも解かれてしまうのだろうか?


もう一度躰を返されて、仰向けにされたと思ったら腰に腕が回り

そのまま抱えられる…


私は目を見開き、これからどうされるのかと怯えながらも、

涙を流しながら震える躰をどうすることもできず、

ただなすがままになっていた。


ふわっと身体が宙に浮き、そのままあの人は大股で歩くと…

ソファーに投げ落とされた。


「いやぁ~」

柔らかい生地に背中から沈み込み、身動きが取れなくてもがいていると、

ソファーの前に屈んで私の両膝をがっちりと掴み、自分の両肩に担いだ。
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