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ナツキとあの場所で
第1章 プール
「小学校最後の夏休みは楽しかった?」
僕はお母さんに聞いた。
「そんなん覚えてへんわぁ」「おつかれさん」
少し落胆した顔で僕はとてつもなく重いランリュックを下ろす僕。
僕の地区はランドセルというものがなく学校指定の黄色いリュックを背負って登下校していた。関西限定のものらしい。
1学期が終わり学校に置いてある物をすべて持ち帰らなくてはいけないため下校がとても憂鬱だった。
さすがに植木鉢やピアニカなどは小6となれば持って帰らない。
りんごジュースを一杯飲んでから自分の部屋に向かって夏休みの計画に目を通した。
予定は未定だらけで確定しているイベントは地区の清掃と親戚同士のBBQのみ。ナガシマスパーランドさえも日時は未定。
そして土日の欄は急いだ字でサッカー、サッカーサッカー...。
僕はサッカーを習っていて土日が潰れることもあらかじめ把握してた。正直行きたくなかったのは本音・・・。
でもその分楽しまなくちゃ!夏休みは作り上げるもんだ!そう思いながら心を弾ませ、夏休み約40日間のハッピーシナリオを妄想していた。
僕はひと休憩してからおじいちゃんの車で近所のファミレスに向ったのだが。帰り道車内で盛大に吐いたのは秘密。
小学生最後の夏休みが始まる。