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せめて夢の中だけでも
第13章 本当の関係

「お取り込み中悪いねぇ〜」



仁さんが秋雨の肩を叩く。



「何。仁さん。俺たち凄く良いところなんだけど。」



「うん。解るよ?でも君、主役だろ?」



「……頼んでないし。」


「はぁ?」


「…はい。解りました。行きます。」




仁さんが笑顔に戻ると秋雨は溜息をついた。




「凛ちゃん…そういう事だから…戻るね。

あと1時間くらい待ってて?」



「うん。大丈夫だよ」




秋雨は私の顔に近付いて耳元で呟いた。





「もう、凛ちゃんを食べたくて…
お腹ぺこぺこなんだ。」



「もうっ!」



私が照れるのを見て秋雨は
いつもの、優しい顔で笑った。



扉が閉まると…沙織ちゃんが
私の顔をみてニコニコと笑っている。


「何?」


「私!五十嵐さんに惚れました♡」


「えっ!?」


「先輩…幸せ者♡」


「何よ。さっきまで隼人の見方だったのに?」


「田中先輩は…本当に先輩の事思ってましたもん!
でも、五十嵐さんもきっとおなじですよね…


先輩!フロアーにでて誕生日お祝いしましょう♡」



私は沙織ちゃんに引きづられるようにして
秋雨のいるフロアーへと向かった。
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