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せめて夢の中だけでも
第14章 不思議な男
「…っ私は…そんな事で嫌いになったりしない。


どんな出会い方だったとしても…


秋雨…あなたを好きになってた」




「好き…か…。



ありがと。凛ちゃん。」




秋雨は、決して私を見なかった。


そして、秋雨から「好き」という言葉と
もらえなかった…。








彼はわからない。



何度も思う。




不思議な人…。









そのまま何も話すことがないまま
私の家の前に着いた。



…離れたくない…





そう思った。


車から降りるとき
秋雨が私の手を優しく握った。


真っ直ぐ見たその目はとても寂しそうで
うまくその手を解けないでいた。


「秋雨?」


「ごめんね…」



「どうして謝るの?」


「ううん。何でもないよ…


おやすみ。」


そう言って私の手を離した。




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