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せめて夢の中だけでも
第15章 騒つく心
…………………………………





次の日の朝。



目覚ましの音で目が覚める。



「…眠い…」



結局、昨日寝たのはもう4時がまわった頃だった。


7時に起きるのは私にとっては過酷だった。





眠い目をこすって簡単な化粧をし
適当に服を選んで、朝ごはんは食べずに家を出た。




電車に10分ほど揺られ
何事もなく会社へとつく。




…何も変わらない1日の始まりだった。






いつものようにエントランスを抜け
オフィスへと入る。



「あっ。先輩♡おはようございます。」

「…おはよ」


明るく笑う沙織ちゃんに挨拶をする。


「あれー?先輩元気ない…。寝不足ですか?」


「うーん。ちょっとね…」


横に座る私に耳打ちをした。


「秋雨さん寝かしてくれなかったんですか?♡」



「ーー!違うわよ。」




「えー。あの後何もなかったんですか?」



「…当たり前でしょ」











「…私語厳禁」


目の前でその声がし、私の前に
たくさんの資料がドサッと置かれた。


「…隼人」


「これ、発注書。
全部コピー。」



そう言って自分のデスクへ戻っていった。



「田中先輩、どうしたんですかね?」


「…さぁ…」


隼人は黙々とデスクへと向かっている。


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