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せめて夢の中だけでも
第15章 騒つく心
髪の毛に触り優しく撫でると
彼はこっちを向いた。
目は瞑っている…さっきのは寝言だったようだ。
「秋雨…」
そう呟いた瞬間…
私の手は強く引っ張られ、あっと言う間に
彼の胸の中へと引きずりこまれた。
「…っ!秋雨…っ」
ギュッと腕の力が強められる。
「…凛ちゃん。」
「起きてるの…?」
「うん。」
「いつから…?」
「今。」
「…凛ちゃんの夢…見てた。
抱きしめたくて手を伸ばしたら…本物がいた。」
優しく微笑んで私の頭を何度も撫でる。
「凛ちゃん…いい匂い。」
優しい秋雨の声が私の頭上から降り注ぐ。
「…めっちゃくちゃキスしたい…」
そう言うと秋雨はおでこへとキスをする。
「ダメだよっ。仁さんがへんな事するなって…っ」
「…少し…だけ。」
秋雨は、私の顎をクイッと持ち上げると
優しく唇を重ねた。