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せめて夢の中だけでも
第15章 騒つく心


「…変なことするなって言ったろ」




その声に、秋雨の手がピタッと止まった。



「俺のベッドを汚すな。

なんなら今から俺が凛ちゃんを汚してやろうか。


変われ。」




「…ちっ。いつもいいタイミングなんだよ。仁さんは」



そう言うと私の服を下げ、ホックもはめてくれる。


おでこにキスをすると、秋雨は私から離れ
扉へと向かった。




扉の向こうの仁さんは言葉とは裏腹に笑顔だった。




「何?変わってくれる?」


「仁さんの頼みだったとしても
それだけは無理。」


「だったら、ここではヤるな。」


ニコッと笑う仁さんの笑顔は
とても怖かった。



「ヤろうなんて思ってないよ…

味見したかったの。」


「一緒だ。バカ。」


秋雨の頭を叩くと、仁さんはこちらを向いた。




「凛ちゃん。ご飯食べようか。

…おいで。」




いつもの優しい仁さんの笑顔だった。
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