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せめて夢の中だけでも
第15章 騒つく心
「うわーっ」
テーブルにには美味しそうな朝食が
3人分並べられていた。
ハムや卵が挟んであるクロワッサンが
とてもいい匂いだった。
「凛ちゃん。倒れたんだから…
栄養つけないと!」
「えっ?倒れた…?」
秋雨の顔が驚いていた。
「あっ…」
「凛ちゃん…?倒れたの?」
「大丈夫だよ!少し疲れてただけ!
もう元気だからねっ!」
笑顔を見せても秋雨の顔は笑顔にならなかった…
「ゴメン…」
…どうしていつも…謝るの…?
どうして…笑ってくれないの…?
「だからか…」
薄く秋雨は、笑ってそう呟いた。
「えっ?」
私が聞き直すと秋雨は、いつもの笑顔に戻った。
「食べようか…」
仁さんに視線を移すも、
仁さんも同じように優しく私へ微笑む。
2人は至って普通に食事を済ませる。
私だけが気になって…なかなか食が進まなかった。