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せめて夢の中だけでも
第17章 3年前…side隼人
『妹』
みたいなもんだった。
凛があの雨の日…
小さな体をカタカタ揺らして
震えているのを見て…
『守ってやりたい』って
兄のような気持ちで思っていたんだ。
歳は一緒だけど…
そんな気持ちしかなかった…
凛の温もりを背中から感じていた。
電車に乗れないからって理由で
ホテルに来たけど内心やっぱ緊張するし…。
凛が寝静まったのを感じて
俺は向きを凛へと変えた。
どれだけ泣いたのか…
目の周りは赤く腫れていた。
そっと撫でると…
「んっ…」と、微かに反応した。
俺はそんな凛のおでこに、
優しくキスをしたのを覚えている。
…もう絶対泣かさない…
そう誓った。