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せめて夢の中だけでも
第18章 3年前…side秋雨
「産めよ。俺が育てる。」
そう言ったあの日。
大切な女が身篭った、誰の子かも知らない子供。
それでも俺は…父親になろうと決めた。
なのに…呆気なく小さな命は空へと行ってしまった。
「…ダメだった。」
「そうか…」
「秋雨は良かったんじゃない?
また…ホラ…女と遊べて。」
麗華が微笑んだ。
…そんなわけないだろ…
そんな気持ちは伝えることが出来ず
「…そう思う?なら、そうかもな…」
と誤魔化すことしかできなかった。
「ほらねぇ〜…」
その日からまた麗華は…
男と簡単に寝るような女になった。
……気分悪い。
そして俺も、この胸の気分の悪さを消すように
女を抱いた。