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せめて夢の中だけでも
第19章 決断。
秋雨は私の目の前まできて、電話を切った。




そして


強く強く私を抱きしめた。





「泣かないでよ…凛ちゃん。」




「泣かしたのは、秋雨でしょ?」




「泣くのはベッドの中だけでいいよ?」





秋雨は、悪戯っぽく笑う。







もう忘れることなんでない。
あなたのこの温もりも…声も…

全て…私の体に刻まれている。





「凛ちゃん…もしかしてコレ忘れてた?」


「ん?」


秋雨が私の首筋をチョンっと触った。





あっ…。




「やっぱ、首は目立つね。」




微笑みながらサラッという秋雨とは反対に
私は血の気が引いていった。





首に付けられたキスマーク。


…忘れてた。




隼人も沙織ちゃんも気付いただろうな…



私が項垂れると秋雨は余程おかしいのか
クスクス笑った。




「いいじゃん。俺のものなのは間違いないんだから。」





そう言われると…本当にそう思ってしまう。



「一生…離す気なんてないからね」






耳元で呟かれれば…

私はすでに秋雨の虜なんだろう…





こんなんで…私…大丈夫なのかな?





毎日ドキドキされっぱなしで
不安だけが大きくなっていった。





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