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せめて夢の中だけでも
第20章 思い出せないあの日。
…………………………




店で夜の準備をしていたあの日。


俺の携帯がメールの着信を知らせた。



『今日、彼とその女が飲みに行く。』



メールにはその居酒屋の名前と…時間だけだった。









何時に帰るかも解らない相手を待つほど
俺だって暇じゃない。



けど…どうしても凛ちゃんに会いたかった。





仁さんには適当な言い訳を作って
店を休んだ。




21時から居酒屋の前で待って
3時間…待ったんだっけ。


その間も訳わかんない酔った女の人が
声をかけて来たけれど、あんまり覚えてない。





0時を回った時…
居酒屋の入り口が開いて

男女二人が出てきた。





隼人くんに腕を絡めて体を預けている凛ちゃん。






…やっと会えたね…



俺はその場を立ち上がり、二人の後をつけていった。
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