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せめて夢の中だけでも
第22章 明日が晴れなら…。
次の日の朝…
会社へ出勤すると
隣のデスクの沙織ちゃんは
鏡を見つめ自分の髪型を何度もチェックしていた。
「おはよう。沙織ちゃん、どうしたの?」
「あっ!先輩っ!おはようございます!」
私の姿を確認すると沙織ちゃんは
その鏡を慌ててカバンへと戻した。
「なっ…何でもないですよ〜」
「何?怪しい…デート?」
「へっ!?ま、まっさかぁ。
少し…頼まれごとなんです。」
へへっと笑うと沙織ちゃんは席を立った。
その後ろ姿を見つめていると、
横から声がした。
「あれは…男だろ。」
「だよね。多分。」
「3人で過ごすXmasとか言ってたのによ。」
オフィスから沙織ちゃんが楽しそうに
電話をしている姿が見えた。
…可愛いなぁ…
っとジっと見てしまった。
「大丈夫だよ。凛ちゃんが1番だから」
「はっ??」
隼人の声に背筋がゾゾゾっとした。
「って…アイツなら言うな。確実に」
そう言って椅子を回転させ自分のデスクへと向かった。
「なにそれ…」
と思いながらも…
秋雨の姿を想像して自然と笑みがこぼれた。