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せめて夢の中だけでも
第22章 明日が晴れなら…。
沙織ちゃんがそのブランドショップから
出てきて、嬉しそうに笑っている。



「彼氏とかな…?」



そのすぐ後に出てきた男性をみて


言葉を失った。




「…秋雨?」



お店の入り口の前に立ち沙織ちゃんに笑顔を見せる。
沙織ちゃんは何度か頭を下げて
とても照れ臭そうにしていた。




2人はそのまま駅の方へと歩いていく。






…ナンナノ?…




秋雨が他の女性と歩いているのは何度か見た…



けど、沙織ちゃんは…


私と秋雨の関係を知ってるじゃない。







追いかければ良かったのかも知れない…
でも足が前に出てくれなかった。






「凛。」




不意に呼ばれた名前に驚き、
私は後ろを振り向いた。







「なんで…晴…」




「姿見つけたから…追いかけてきた。


…おい。何泣いてるんだよ…」



「あっ。…何でもない」



慌てて私は涙を拭った。




「凛のお目当ての男。アレな訳?」




目線の先には2人の姿があった。





「…っ。…違っ…。」



「来いっ…」




私の手は晴に力強く引っ張られていた。
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