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せめて夢の中だけでも
第22章 明日が晴れなら…。
「やめてよっ!晴ってば!」
道路を隔てて、私たちは秋雨たちと
並行して歩く。
…気付かれたくない!!
「……っ!やめてよっっ!」
私は勢いよく晴の腕を払ってしまった。
「…私のことは放っておいて…」
「無理だな。」
彼は私の事を昔の様な…
愛おしいものを見るような目で見ていた。
その目に吸い寄せられて…
何も言えなかった…
「凛。何も言わず…今日だけ…
俺に付き合ってくれないか?」
その瞬間彼の手は私の頭へと当てらた。
ぐっと力を入れられ引き寄せられる。
「…うぅ…っく。晴…」
懐かしい温もりが私を包む。
何故だか涙が次々と溢れてきた。
私は彼の胸へ顔を埋めるようにして
人混みの中、隠すこともせず泣いた。