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せめて夢の中だけでも
第4章 『秋』の『雨』
朝…
気怠い体をやっとの思いで起こす。
「はぁ。」
二日酔いとまでは行かないが
昨日は飲むペースが速かった…。
まだ完全に酒が抜けていなかった。
枕元の携帯電話を、手に取ると私は
いつもの相手に電話する。
2度ほどのコールで相手はすぐに
電話に出た。
「何?朝っぱらから…」
電話の声はとても不機嫌そうだ。
「朝っぱらってもう9時過ぎてる!」
「あのね…仕事が休みの日くらい
ゆっくり寝たいわけ!」
「あっ…ゴメン…」
「…嘘よ。で、何?」
「今日、暇?」
「凛。それを私に聞くのは間違ってるわ。」
「…はい。ごもっともで…」
「まぁ。時間ならあるわよ。
ランチでもする?」
「お願いっ!」
私はベッドから体を上げると
すぐさま、支度を始めた。