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せめて夢の中だけでも
第25章 メリークリスマス
「…辛いわよ…?」
「えっ…」
「何も変わらないの。
彼のファンと1つも変わらない。
近付けない。側に入れない。
この後だって…会えないのよ?
辛いわよ?」
「でも…彼を独り占めできますよね…?」
「だったら良いね。」
沙織ちゃんも隼人も私を真っ直ぐ見つめてくれている。
「何度も…夢の中だけでも会いたいって願った。
何度も…私だけを見て欲しいって願った。
あなたと一緒でしょ?」
私が笑うとその子は下を俯いて泣き出した。
「何も…知らなくてっ…ごめんなさい。」
「良いの。私はそれでも
あなたと一緒で彼が大好きだから。」
「でもっ!指輪とかもらえて
アキさんにとっては特別なんですよね。」
顔を上げた彼女はもう泣いていなかった。