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せめて夢の中だけでも
第4章 『秋』の『雨』
酔いが少しずつ回ってきた。


…あっ。私、昨日もう飲まないって言ったのに…



その事もあって今日の私は
気を付けながらユックリ飲んだ。




目の前の友香はペースなど考えていない。
2時間でもうビールを5杯は飲んだだろうか…。


「ねぇ!凛。あんたいい加減
彼氏作りなさいよー腐るわよー」


「…相手いないんだから仕方ないじゃない」


「紹介するからっ!合コン!合コン!」


「…気が向かない…」


「いつまでも隼人くん追いかけたって仕方ないでしょ!!」

大声で友香がそう言い
ドンっとビールジョッキを置いた時だった。





スッと横から手が伸び

小さなケーキが2つのった皿が差し出された。




二人してその手の方をみた。


「私たち、デザートなんて頼んでませんよ?」

怪訝そうに友香がそう言うが
私は何も言えなかった…。
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