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せめて夢の中だけでも
第26章 同じ気持ちだって解ってよ?

沙織ちやんとは別れ、隼人と二人で並んで帰っていた。



「お前…辛いのか?」


「聞こえてた?辛いよ。
生活も逆だし…デートもできないし。」


「生活が逆ねぇ…確かに。」




私たちが仕事を終える17時に
秋雨たちは、店の準備を初めて…


深夜の3時ごろまで片付けをする。




私が寝ているころ、彼は仕事をしている。
私が仕事をしているころ、彼は寝ている。





「こんな辛いなんて思ってなかった」

私が隼人の方を向いて笑うと
彼は眉間に皺を寄せた。



ゆっくりと私の手を握ると
何も言わずただ無言で歩いた。




「私に手を出すと…秋雨に、キスされるよ?」


ボソッと呟くと隼人は
はぁっ?という顔を浮かべている。


「凛が?」

「ううん。隼人が」

「意味わかんねぇ。そんな趣味ないだろ?」

「晴はキスされてたよ。」




その瞬間、パッと隼人は私の手を離した。
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