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せめて夢の中だけでも
第26章 同じ気持ちだって解ってよ?
「聞こえてた…?」
「うん。何となくね…」
「俺、凛ちゃんに3年前会ってるんだよ。
雨の中…傘もささずに…
ずぶ濡れで…泣いてた凛ちゃん。
そんな君に惚れた。」
「ーーーーーーっ!」
…それは、きっとあの晴と別れたあの日。
あの日から秋雨は私を?
嘘っ…。
「あの日からずっと…夢の中だけでも
会いたかったんだ…
俺だけのものにしたかった…。
凛ちゃんも同じ気持ちだったんでしょ?」
「…聞いてたの…?」
「うん。辛い思いさせて…ごめんね…」
…どうしてこの人はこれほどまでに…
完璧なんだろう…
「でも…もう夢なんて見なくていい。
これからは…現実で俺を見て。
現実で俺を感じていて。
夢の中じゃ…俺は凛ちゃんを守れない。」
「大丈夫…
触れられるところに秋雨、
あなたがいるわ。」
そっと…頬に手を伸ばすと
彼は少し首をかしげる。
大好きな温もりが私の手を温めてくれる。