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せめて夢の中だけでも
第27章 疑惑と嫉妬。
…ゴーン…ゴーン…
日付は12月31日から
1月1日へと変わろうとしている。
俺の隣でマフラーに、顔をうずめ
顔の前で手のひらを擦り合わせ
寒さを紛らわそうとしている
…可愛い彼女。
除夜の鐘を目の前で聞きながら
俺は真っ直ぐその鐘を見つめていた。
人でごった返すこの有名な神社も…
何度と…来たことだろう。
けど、こんなに心が温かいのは初めてだ。
「秋雨?」
上目遣いで俺を見て首を傾げる彼女。
このままここで抱きしめてキスしたいくらい…
愛おしいんだけど…
俺が微笑んだら彼女の頬は
赤く染まる。
…凛ちゃん。
君は罪な女だ。