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せめて夢の中だけでも
第27章 疑惑と嫉妬。
…俺は今日、凛ちゃんに伝えないといけない事がある。
そんな事つゆ知らず…
彼女は俺の前をピョコピョコと走り
俺の方へと振り返る。
おみくじを引こうと手招きをしている。
…言ったら凛ちゃんは…
泣くだろうか…
帰りの車の中で凛ちゃんは、俺の様子に気付いたのか
「どうしたの?」と尋ねてきた。
チャンス…だ。
俺は真っ直ぐ見て運転を続けた。
そして、ゆっくりと口を開いた。
「凛ちゃん…俺…
半年間…福岡に行かなきゃいけない…」
…ほら…彼女の目が見開いて…
驚いている。
「…何で…?」
…寂しがり屋の凛ちゃん…
そんな顔されたら俺は行けないよ…