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せめて夢の中だけでも
第31章 溢れる心と溢れた優しさ
煌は誰にでも笑顔で…その無邪気さから
年上の女性に人気があるようだ。



一緒にいる時も…何度か女性からの
電話があったけど…御構い無しに出る秋雨とは違って…
煌は一度も私の前では電話に出ることはなかった。




…私は煌君を…誰かにとられるのが怖いのかな…


ふとそんなことを考えてしまった。







秋雨と別れてからの私は
煌君に助けられている。
あの笑顔と…あの可愛さと
そして…

身代わりになってまでも
秋雨を感じさせる優しさ。





サラダのクルトンを箸で突きながらボーっと
考えていた。



…私は煌君に最低なことをしているんじゃないの…

…私は彼に何がしてあげれるのかな…




そんなことを考えていると目の前に…
コトっとグラスが置かれた。


その手の方へと目線を上げると
屈託のない笑顔の煌が立っていた。
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