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せめて夢の中だけでも
第32章 再会。
………………………






4月の終わり。




今日は秋雨が、福岡から戻ってくる。

あの電話以来、話すこともなかったけれど
秋雨の話は煌君が細かく教えてくれた。


煌君は変わらずこの一ヶ月毎日
私の側にいてくれた。

そして、絶対に私には手を出さなかった。



出せない小心者と笑っていたけれど…
きっと、違うんだと思っている。








そして、秋雨が朱里さんと戻ってくることも知らされた。



朱里さんは一ヶ月だけらしい。
そして、その一ヶ月が経てば…煌君も大阪へ戻る。









「凛ちゃん?準備できた?」


「うん。」


「はい!秋兄、迎えに行くんだから」


「いいのかなー。私、別れてるし…
朱里さんといるんでしょ?」


「いいんだよ!何なら、俺の彼女って言おうか?」


「プッ。言えないくせに」


「バレてた?」



屈託のない笑顔が私を包んでくれる。
この2ヶ月…助けてもらってばかりだった。
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