この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
せめて夢の中だけでも
第32章 再会。
「俺のためなんだよ…。」
「俺が朱里を好きだったのは…
二人とも気付いてた。
二人とも…身を引いたんだ。バカだろ。」
「でも…朱里は秋兄を求めた。」
煌君の体が小さく震える。
きっと…辛かったはず。
きっと…苦しかったはず。
きっと…仁さんも秋雨も…
煌君を助け出したかっただけ…
朱里さんと…話し合うしかない。
「煌君。朱里さんのところへ行こう!」
「えっ?」
「秋雨も煌君も…誰の代わりなんかでもない。
朱里さんは…弱いだけなの。
秋雨の優しさ、煌君の優しさ…
どっちも手放したくないだけなの。
私と同じよ。」
…そう。私と同じ。