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せめて夢の中だけでも
第33章 朱里という女性。
「朱里…もうやめよう。」
ただ、目の前でなく弱々しい女性。
寂しがり屋で…人一倍弱い。
普段がどれだけ高飛車な態度で接していても…
俺の前ではいつも弱い女だった。
「秋雨が…好きだった…」
「うん。わかってたよ。」
「煌も…好きだったの…」
「うん。それもわかってたよ。」
「…っ、ごめんなさいっ。」
うぅっ…と嗚咽をもらす、朱里の肩を抱き
そっと髪を撫でた。
嗚咽がひどくなり涙がとめどなく溢れていた。
その次の日…
俺のマンションのチャイムが鳴って…
玄関のドアを開けるとそこには
俺の大切な人と…煌が、立っていた。