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せめて夢の中だけでも
第34章 変わらないその気持ち。
「私は…ずっと秋雨だけのものだよ。
秋雨が望むなら…私は鳥籠の中でもいい。」
秋雨がこちらを向いて…驚いた顔をしている。
そして、少し顔を崩して笑った。
「そんな事…っ。させられない…」
「私…ここで秋雨の帰りを待ってていい?
毎日、あなたが寂しくないように
待ってるから」
「ありがとう…凛ちゃん。」
秋雨がゆっくりと唇を重ねる。
泣いていたのか…少ししょっぱかった。
そして…夕方になり店の準備がある秋雨は
ラフな格好で出て行った。
一緒に行こうと言われたけれど…
それは断ってしまった。
あのカウンターに秋雨と二人になれる自信がなかった。
煌君が私へ向けてくれた真っ直ぐな想い。
あそこはその言葉を聞いた場所だったから…。