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せめて夢の中だけでも
第36章 埋めて、埋めて、埋め尽くして。



秋雨に抱きついていると


「…仁さん…サンキュー。」



秋雨がゆっくりと片手を上げた。



私が振り向くと、ソファーの裏に
隠れるようにして私達を見守っている
仁さんと…沙織ちゃんと、隼人。


それに朱里さん。





「お役に立てて光栄だよ。」






私は慌てて秋雨から離れて
仁さんたちの方へと向き直した。




「ったく…お前たちは…いつまで
心配かけさせるんだよ。」



隼人が照れ臭そうに鼻の先を指で引っ掻く。




「先輩っ!おめでとございます♡」



沙織ちゃんもニコニコと笑っている。





とても幸せだった…





朱里さんも腕を組んでこちらを見て
微笑んでいる。



誰からも祝福をされているという事実。

もう胸が苦しいくらいに締め付けられていた。
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