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せめて夢の中だけでも
第36章 埋めて、埋めて、埋め尽くして。
「…凛ちゃん、先にどうぞ」
玄関のドアを開けて私を中へと招き入れる。
秋雨は電気はつけようとせず
私の背中に手を押し当てゆっくりと前へと進ませる。
暗い部屋は何も見えなかった…。
その瞬間…
間接照明のみつけた部屋が映し出された。
きっと…
こんな事をしてくれるのは…仁さんだろう。
テーブルの真ん中には
数え切れないほどの薔薇の花束。
その横にはグラスが置かれ
そのグラスの中で青い光が放たれている。
よく演出の為に…秋雨のお店でもしている。
カクテルが青く光りとても幻想的だった。
秋雨のマンションの夜景がまた一段と綺麗。
どこから持ち込んだのか…
床にはスモークが焚かれていた。
…感動した…では足りないよ…
「どう?満足した?」
「もう満足したってもんじゃない…」
私は堪らず秋雨に抱きついた。