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せめて夢の中だけでも
第37章 日々、成長中
「朝ごはん…食べる?」


秋雨の優しい声が上から降ってくる。




「えっ!?いいよ!」


「良いから。寝てて。
作っておくから
起きたら食べてよ。」


そう言って私の頬をひと撫ですると
キッチンの方へと消えていった。




…この一ヶ月…いつもそうだ。
私が起きたら朝食が置いてある…

夜食は作っておくけど…
秋雨のご飯は私とは比べ物にならないほど
豪華で美味しい。




私もベッドから起きて上着を羽織ると
キッチンへと向かった。



私が近付くと、チラッとこちらへと
視線を移すがすぐにまた下へと落とした。



「何作るの?」

「内緒。」

トントンとリズミカルに野菜を切っていく。



ただ野菜を切っているだけなのに
絵になるって…憎い。
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