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せめて夢の中だけでも
第37章 日々、成長中
コクンと、頷くと秋雨が、私へと手を伸ばす。
「夢の中にいる凛ちゃんとは
一緒に食べたんだけどね。
俺が美味しいよって言ったら笑ってたよ。」
クスっと笑って私を抱きしめる。
「凛ちゃん、どうしたの?
何か言われた?」
「えっ…?」
「無理してるよね?…差し詰め、隼人君に
お前は何のためにいるのとかカナ?」
「…ち、違うよ。私が秋雨に何かをしてあげたくて…」
「そう?なら良いんだ。
最高に美味しかった。」
優しく額にキスをするとまた、クスっと笑った。
「凛ちゃんら凛ちゃんらしくいて。
そんなすぐに完璧になろうとしなくていいんだ。
日々、少しずつつ一緒に成長しよう。」
慣れない料理を作っただけなのに…
深いところまで探られている気分だった。
半分は図星なのだろうけど。
もう、無理に凝った料理はしないと誓った私でした。