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せめて夢の中だけでも
第37章 日々、成長中


「ーーーーーーっっ!!」



勢いよく起きたその場所は
ベッドの中。


「嘘っ!!」




そこに目をやると綺麗な顔した秋雨が寝ている。

時計に目をやると朝の9時だった。
今日が土曜日で良かったと心底思った。




「凛…」



無意識に手が伸びて、私の腕を掴む。




「あっ。」


昨日のポットパイの事を思い出し
キッチンへと急いだ。




シンクには何も入っていない。
食べなかったのかと冷蔵庫を開けるが
そこにも何も入っていなかった。



「片付けたのかな…」



少し残念な面持ちでまた、ベッドへと戻ると…
秋雨が、ベッドへと腰掛けていた。



「おはよ。凛ちゃん。何をお探し?」


「…食べた?」


「うん。美味しかったよ。」


「そっか。良かった。」


「一緒に食べたくて待っててくれたの?」



…ドキッとした。
秋雨には何でもお見通し…忘れてた。
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