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せめて夢の中だけでも
第38章 知らないあなたも私は知りたい。


「凛さんっ!」

「壱君…」


スタイルも良くて顔も小さい彼は
言われなければ女の子に見えてしまう。

「凛さん!ありがとう。」

「えっ?」

「俺、凛さんが彼女なら秋雨さん、諦めれそうだ!
だから、他の女に取られないように…

せいぜい頑張って!!」


そう意地悪く笑った。


奥でまだ出勤時間前の秋雨が笑っている。
そんな彼に手を振って笑う壱君。
秋雨は、軽く手を挙げただったが
壱君は頬を染めてまた笑った。




そして、秋雨の目の前で私を抱きしめ頬にキスをした。
向こうで目を見開く秋雨がいる…。


「女の友情って事で!」

その時にはすでにすご勢いで廊下を突進する秋雨が
私の前を過ぎ壱君に蹴りを食らわしていた。


「お前っ!凛ちゃんに、触んなっ!」


アハハハハーっと声に出して笑う壱君はとても…


可愛かった。
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