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せめて夢の中だけでも
第7章 無言の協力
「はぁ…」
結局、私は殆ど眠れないまま出勤した。
エントランスへ入ると
受付に座る二人の女性。
いつもの変わらない隼人の彼女…。
「おはようございます」
二人揃って頭を下げ出勤した人々に
挨拶をする。
…悪魔だわ…可愛けりゃなんでも許されると思ってるのかしら…
そんなことを思いながらエレベーターへと乗り込む。
オフィスに着くと…なぜかあたりは騒々しかった。
忙しそうにパソコンを打つ隼人に話しかける
「どうしたの?何があったの?」
「あぁ。おはよ。
百貨店に発注するはずの商品が届いてないらしい。
今他の奴らは他のところに在庫がないか聞きまわってる。
俺たちは発注書の確認。」
「はっ?何が届いてないの?」
「焼酎だってよ。明日からワインフェアらしく
そこに日本の焼酎も並べるらしい」
「なんでワインフェアに焼酎なのよ…」
「わかんねぇーよ。2004年の『水芭蕉』って酒。
お前も知り合い当たってみて。
ほら…あの男の店とか…」
隼人はパソコンへ視線を移したまま
そう呟いた。