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第8章 叶うなら彼の側に

「今日はみんな、よく頑張ってくれた！
特に…斎藤。お前には助けられた。

お店の人にも後からこちらから
お礼をしとく。

ありがとう。」


部長の挨拶で今日の仕事は終わりとなった。



私は誰よりも先にカバンを取りに
エントランスを駆け抜ける。






その時だった…






「斎藤さん。」






受付から…私を呼び止める声がした。



嫌な予感しかしなかった。



振り向くとそこにはやっぱり

橘 麗華。




「何ですか？私…急いでるんですけど…」

「話があるんです。時間は取らせません。」



彼女は私を一階の社員が使うロッカールームへと
連れて行く。



「何…」



「率直に聞きますけど、あなた秋雨の何？」



えっ…そっち？
あなたの彼氏は隼人でしょ？




「しゅ…うって？」

声が震えてうまくでてこない。


「とぼけないでよ。この間も名前呼ばれてたじゃない。

あなた、秋雨の彼女になりたいの？

笑わせないでくれません？」


何なの…何なの…



私の頭は状況をうまく理解できていなかった