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せめて夢の中だけでも
第8章 叶うなら彼の側に
「凛ちゃん。秋はああ見えて不器用な男だ。」




仁さんの顔を見てから私は秋雨へと視線を移す。


群がる女性たちに笑顔を向けて
何が話してるのか相打ちを打っている。



…あれが不器用?
不器用な男が泥酔した女連れ込む?

他にも女が沢山いるんでしょ?



ねぇ…仁さん…聞きたいことありすぎます…。




「秋に惚れた?」


「えっ?」


「この前見たときとは少し表情が違うから。」


仁さんは私は見ずに秋雨を真っ直ぐ見ている。


「凛ちゃんは好きな人がいるんだろう?

今も好きかな?」


「あっ…」



今更、気付いた…


私、隼人のことが好きだったんだ。



…忘れてた。


秋雨の存在が、大きくなっていて
隼人へと気持ちが薄らいでいた。



「仁さん…私…
秋雨さんの事、好きになっていいですか?


もし、許されるなら隣にいたい…です。」


私の言葉を聞いて、仁さんはフッと笑った。



「いいと思うよ。秋はきっと

凛ちゃんを守ってくれるよ。」
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