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せめて夢の中だけでも
第10章 真っ黒な空

時計を見るとまだ朝の7時…



まだ3時間くらいしか、眠れていないらしい…


夜中まで仕事をしていた秋雨はまだ眠そうだった。



「もう少し寝ていい?」

寝返りを打って私とは反対方向へと向く。


その背中にピタッとくっ付くと
少しだけ秋雨が、笑った。




その時…





秋雨の携帯電話がブー…ブー…と
バイブレーションで着信を知らせる。



「はぁ…朝もユックリと寝かせてくれないわけ?」


気怠そうにベッドから出ると
携帯電話を手に取った。



「はい…」



「どうしたの?」



秋雨は誰かを慰めるような優しい言葉使いだった。



「うん。いいよ。」


「大丈夫。」


「えっ…」


ピタッと秋雨の言葉が途切れる。

チラッと私を見るとまた少し笑って

「俺んちはダメ。」

そう確かに言った…。




…他にも女がいる…

解ってはいたけど…そう思うと辛い。



秋雨が電話を切るとまたすぐに
電話が鳴った。
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