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やさしいキスをして?
第6章 さよなら?
……だけど正直、こんなことになってるとは思わなかった。
『もぉ〜すごい人混み〜!』
『他校の子まで詰めかけちゃってさ〜』
『これ皆、鷹野先輩狙いなのー?!』
みんなが愚痴るのも無理はないかも。控え室の扉の前には、たくさんの女の子達が列をなして群がっていた。あたし達は来るのが遅かったみたいで、全然端っこの方に埋れている。
『ねぇ、もう諦めない?』
あたしの言葉にも、皆は賛同しない。うぅーん…さすがにあたし、これは待ってられないんだけど。
『あの…あたしやっぱり帰るね?』
まだ粘る様子の同級生を残して、あたしはその場を去った。いくらトキメキの為とはいえ…あーいうのは、あたしは苦手だ。
一人足早に会場の外に出ると、思いもよらない人物に出くわした。