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やさしいキスをして?
第17章 おまけ〈あさひ②〉
「ゆうひ、スカウト断ったって本当?!せっかく今まで頑張ってきたのに…これからどうするつもりなの?!」
「ん?どうって、普通に就職だろ。元々おれ、サッカーで飯食ってくつもりはなかったもん。」
「ええっ?!推薦で大学来ておいて?!何あんた、サッカー辞める気だったの?!」
「まぁ別に、プロじゃなくてもサッカーはできるしさ。就職した後も、息抜き程度にはやっていきたいけどな。」
「就職って……何かなりたいものとかあるの?」
「まぁな!それなりの商社入って、営業マンやりてーかな!」
大学で言ってたとおり、ゆうひは大手商社に入社した。仕事はハードらしいけど、やり甲斐があるって楽しんでるみたい。最近は能力を認められてか、大きな仕事も任せてもらえるようになって、がぜん燃えてるとか。今日みたいなドタキャンも、実は初めてじゃないし。
『だけどなぁ…接待する側の人間が潰れるとか、あり得ねーから。向こうの心象気にしすぎ。無理なら断ってもいいって言っただろ?今度からは、おれが止めたら辞めとけよ。』
『はい、申し訳ありませ…ウウッ』
『おい、大丈夫か…?』
物思いにふけってるとこ、誰もいなかったロータリーに人の気配。視界に広がるお星様を、ふいと現実に向けてみると…