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やさしいキスをして?
第17章 おまけ〈あさひ②〉
『一生のお願いって…?よく分かんないけど、とりあえず朝ごはんにしよ?それから聞くから。』
あたしの決心も、なかなかに往生際が悪い。せめて最後に、味噌汁で喜ぶゆうひの姿を見ておきたいから…
『ほら座って?久しぶりとはいえ、ちゃんと美味しく出来た自信あるん…』
よそっているあたしの手を止め、お玉を取り上げる。そのままクルリ反転させられると、とびきり笑顔のゆうひと目が合った。
『聞いて、あさひ。』
ちょっと泣きそうにも、照れてるようにも見えるその顔が…
『おれに一生、お味噌汁を……』
言葉と共に遠ざかっていく。
『ちょ…?よく聞こえないんだけど。ってかどこ行ってんの、ゆうひ?ゆうひってば!』
どんどん遠くなって、豆粒みたいに小ちゃくなっちゃったゆうひに向かってあたしは────